ダイハツ、貴金属を全く使わない燃料電池の基礎技術を新開発』という記事を見つけ、なんだか懐かしくなりました。実は私、大学時代はエネルギーを勉強していまして。(そこまで勉強熱心ではない学生でしたが)中でも燃料電池は、21世紀のクリーンエネルギーの一つとして期待されていて、よく記憶に残っています。簡単に説明すると、主に水の電気分解の逆反応である 2H2 + O2 → 2H2Oで電力を取り出す装置のこと。高い発電効率に加え、主反応自体からは水しか発生しないため、CO2を排出しないクリーンなエネルギー源といえます。
この燃料電池を車の動力として使用する場合、高い耐蝕性を得るために燃料電池の電極触媒材料に膨大な量の高価なPt(白金/プラチナ)の使用が欠かせません。このコストが燃料電池車普及の課題の一つとなっていたのですが、今回ダイハツが開発した新技術では、正反対のアルカリ性電解質膜を用いることによって、燃料極にCo(コバルト)を,空気極側にAg(銀)を触媒として利用することを可能にしました。正に逆の発想!!結果、安価な金属の代替による貴重な貴金属の省資源と、大幅なコスト削減が可能になりました。 また反応性に優れたN2H4(水加ヒドラジン)を燃料とする事で、白金使用の水素燃料電池に匹敵する高出力が得られるのだそうな。

貴金属を使用しない燃料電池の模型
ダイハツは数十年前からヒドラジン利用の燃料電池の開発に着手していた歴史があり、今回発表したプロジェクトは5年ほど前から始まっていたようです。ヒドラジンを使った燃料電池については、2005年10月16日から開催された米電気化学会(The Electrochemical Society)のミーティングで既に発表しており、今回は2005年の発表時に比べて燃料電池の性能を大幅に向上させたほか、ヒドラジンを安全に使用するための貯蔵技術を新たに開発したということです。
なんだか小難しくなってしまいましたが、地球の環境を考える上でこれはすばらしいことです。まだまだ課題も多く(燃料を固体化するポリマーの性能向上、燃料電池の性能と耐久性の向上、インフラ整備など)、新技術を車に搭載するまでには更なる研究開発を進める必要があるようですが、実現に向けてダイハツさんには頑張って欲しいです。昔学んだ、当時の技術では成しえなかったこと。それが時を重ね現実化してきたのを見ているとなんだかうれしい気分になりますね(笑) 主用途は燃料電池車ということですが、従来の手法に比べ、高い出力密度やPt(白金/プラチナ)を利用しないといった点から、ポータブル機器での利用にも向くのではないかと見られています。そう遠くない未来に、燃料電池で稼動するPCやiPodが現れる時代が来るかもしれません。楽しみ。

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